ボンバルタルへの道
第一章
[LINE タルトルの森] 1

 高い山の頂の上、高地の平らになった土地を利用して昔の人々が築き上げた町カロルサン

そこから遥か下界に小さな町々がつづく、その下界の町までには

山を下りるまでの森と高い崖が待ち構えているのである。



 その森を、連なって歩く二つの影が在った

一つは長身で立派な体格の男、もう一つは子供のように小さく耳が常人と異なる

小人族のようであった

それは奇妙な事に、この山の上に唯一ある町カロルサンとは反対に進んでいた

もちろん厳しい行程からなる、開拓されていないこんな森の中にわざわざ

進んでいく者はいない

しかも、それからの森には道など無いのである

もちろんその人影は「唄歌いのナガロ」と「ホビットのプリメラプラ」であった。

プリメ「ご主人様ぁーまってくださいぃ」

プリメ「わざわざこんな森の中を進んでいかなくとも良いじゃないですか」

 ナガロは何も答えない、ただ恐い顔をして歩いていくだけである。

 実はプリメラプラは森の中を歩くのは嫌いである

奴隷として捕まってから今まで、ナガロの家と町との往復しかした事が無いからであったが......

そうこうしている内にプリメラプラも気を遣って

一言も話さなくなった、分をわきまえていたのである。



 そんな行程が2日程続いた、そして彼らの目の前に

突然森が開いたのである。

 その一帯は植物がまったくはえていない様であった

彼らが奇妙に思いながら暫く進んでいくと

寂しそうに一件の家が建っていた。

プリメ「おかしいですね、なんでこんな所に?」

ナガロ「入るぞ」

 そのドアは不用心にもナガロが開けると何の抵抗も無く開いた

プリメ「こん晩はーぁ」

 応えはなかった、だが家の中は何処からとも無く明かりが点き

無人のような様子も無い。



 それは大きな家だった、入り口から連なる場所にはテーブルが

あり食卓のようだった

その両端には階段が在り上にと続く、そこには扉がいくつも連なり

彼らが家の中ほどに進むと、その真ん中から声がした。

「ほうほう、ここには珍しい客じゃな、今出るから待っておくれ」

 その声の主は、二人が気づかぬ間に左の階段の中ほどに立っていた。


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