其の一


  お目見え




ここは、某都市にある学園「のっくふぃあな」 そしてここは生徒会室............
大理石が床一面に敷き詰められて、まるでその光景は学校の施設の一部と言うより
ホテルのロビーみたいである

「ふっ、今日も紅茶がうまいな」
「会長」
「何だね、峯崎君」
「少しはお仕事してください」



所変わって街中
「やべーっ、遅刻だちこくーーっ、うわぁぁん、転校早々何で起きれないんだよーーーっ」
よくある話である

「ははは、よくあることさ、僕も何度かあるよ」
遅刻した草太を案内してくれたのは、学級委員長の鼎であった、苗字を國司田という
すらりとした背丈と、ばねの強そうな姿態の黒髪のおとこだ
なんとなく、物静かな風貌だが、てきぱきと草太を案内してるところを見ると
それだけではないらしい

「あ、あの」
「ん?」
「ここは?」
草太たちの横には、巨大な扉がその存在感の在る面持ちを保ちながら
立っていた

「ははは、興味があるんだね」
「い、いえ、あの」
「いい機会だ、いずれは転校生の君にも見せておかねばと思っていた所だよ」

「あ、あの、俺、ほんとに・・・・・・」

キィィィ

巨大な扉が開く
「あっっ!!」
草太たちの目の前には、巨大なドームが広がっていた
それは、異様な光景だった、部屋の奥まった壁に大きな洞窟が開いていたのである
いや、正直に言えば閉じられていた

巨大な洞窟のような穴に、その穴が詰まるほどに巨石が詰められている
そうして、洞窟入り口の縁には金属片が埋め込まれてて、其処から何本ものチューブが
伸びている

「くっ」
あくまでも庶民派な草太の想像を超えた様子に、絶句してしまった

「こ、これはぁ〜?」
気が抜ける・・・・・・

「これはね、ギーザの穴と言うんだよ」
「ギーザ?」
「ケルトの言葉でね禁止命令と言う意味があるんだそうだ」

「!!」
「誰か居る!!」
草太は何者かの気配に気づいた

「草太君、僕の後ろに下がって」
「−−− −−− −−− −−−」
鼎は何か唱えた、草太が聞いたことの無い、東洋の呪文のような言葉だった

目の前が一瞬明るくなったかと思うと、草太たちの前に巨大な"物"が立っていた
その”物”は3メートルにもなっただろうか、本来ならこの部屋には入らないような大きさだが
部屋の空間が歪んで、その巨体を受け入れていたのだ
そのために、その"物"は難なく暴れまわるだけの空間を確保していた
"物"には頭らしきものがあった、その"頭"から口のような穴が開き
聞いたことも無いような音を発していた

「デ・ダナーンだ!?」
鼎はその"物"の事をこう呼んだ

「くっ、これはまた巨大だな」
「あ、あれは!?」
「ベイガンの神だよ」
「神!?」
「正確に言うと外宇宙の住人だがな、なぜそんな名で呼ばれているか、僕も知らない」
「宇宙!?」

話してる間に、彼らの間に光が放たれた、衝撃で空間がひずむ
「詳しい話は後だ」

「大っきいな」
「でも、これぐらいなら僕にも何とかなりそうだな、草太君、下がって」
鼎は胸元から赤い札のようなものを出して、どこから出したのか筆で何か書き出した
呪文を唱えながら札を投げつけると、ダナーンの周りの空間だけが歪み
ダナーンは更に巨大な音を発した
「苦しんでいるんだ」
鼎はそう叫びながら、次々に札を繰り出した
「カァァァァァァァァァァァァァァァァァッ」
巨大な咆哮があたりに木霊し、激しく空間が震えたかと思うと
まぶしい光とともに、デ・ダナーンは消えた

「ふう」
「はぁぁ」
光が開けると、そこは草太たちが元居た巨大な扉のおくの部屋だった
ほっとして、二人はその場にへたり込んだ
そして、もう一度草太が深く息を吐き出した
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

「一体なにがなんだか・・・」
「先輩、説明してください」

「それより、君はなぜこの学園に決めたの」
「ここ、名門でしょ、俺前からあこがれてたんだ、まさかここの教頭が家に直接来て
 今からでも遅くないから、すぐ入学しないかって言われるとは思ってなかったけど
 落ちたと思ったから、どんな手違いでもいいから渡りに船と思って」
「スカウトって事だね」
「でも、なんで俺なんか?」
「ここはね、どんなに成績優秀でも入学できないんだよ、実はここはね・・・」
「ねぇ、君さえよければ生徒会に入らないか?」
「いっ、いきなりっっ?」
「大体、何なんですか、ここわっ、変な扉があるわ、俺なんかに入学勧めるわ
 見たことも無いような化け物が出てくるわ、それにこの扉や、あんたは・・・?」
草太のこれまでに押さえていた疑問が爆発した

「実はこの学園は在る特殊な学園なんだよ、今のデ・ナダーンを見ただろう
 あれは実は異星人なんだ」
「????、いいい、異星人?」
草太はめんくらった
「ばかばかしいか?、でも今の見ただろう、本当なんだ」
「この学校の在るところは、異次元につながる空間の敷地内だったんだ、実はそこは
 宇宙のある空間に繋がっていた・・・、建てるときは気づかなかったんだけどね
 その宇宙人は星星の侵略をメインに活動していて、この空間はこの拠点の
 ムーンゲートだったんだ、異性人はこの空間に地元の星の住人達が
 学校と言う施設を建てたことを知って、目的の邪魔になるここを破壊し始めた
 生徒たちの何人かが殺されたよ、目の前で何人も

 有る時ここを異星人が出入りしてた所を、当時の有る生徒が発見した
 そうして、その生徒は特殊な能力で、侵入者を倒した、今の学園長だ・・・
 何十年も経って、その生徒が学園長になった頃
 この不信な事件が起こるこの学園を、ここを国の政府が調査しに来た
 そうしてその事実を持って政府で何度も秘密の協議が重ねられた
 そしてここを政府が管理することになった
 しかし学園長は、捜査の遅れを責めて、ここを政府の手にゆだねることを
 拒んだ、それから政府の更なる協議の末に、この学園の管理を学園長に
 まかせ、ここは政府特別施設に当てられた、もちろんこれは極秘事項で
 政府はこのことを内密にした、国民の誰もこのことを知るものはいなかった
 もちろん、パニックを恐れて裏工作をしていたんだけどね」

「そ、そんな」

「今、ここに居る生徒たちは、皆特殊な能力を持っている
 政府は学園長と生徒に自分達で異星人をくい止めることをまかせたんだよ
 そして、この学園ごと事実上の防衛の為の拠点となったんだ」

「そして、ここに君が来たと言う事は、分かるね?」

「で、でも、俺どうしたら?、俺にはそんな能力無いですよ
 あんな奴らと戦うような・・・」

「教頭がワザワザ君の元に来たと言う事は、今は何も無くっても
 何かしら潜在的な物があるんじゃないのかな?」
「そう言うことだから生徒会に入ってはどうだろう、こんな中途半端な時期に
 教頭が呼びに来たんだ、きっと何か、今に起こるよ、その時に君の力が
 いると思う、頼む」

「頼むと言ったって、そんな大それた、俺に何も無かったらどうするんですか」
「こわい?」
「怖いですよ、死ぬかもしれないんでしょう?、先輩は怖くないんですか?」
「その点は大丈夫だよ、親御さんには重要極秘事項として説明が要ってるはずだし
 もし何か有ったら、留学と言う風にするらしいから
 それに、うちの科学部でクローン技術もあるしね」
いいながら委員長はにっこりとして言った
「そんなぁ〜」
「ふふふ」
「どうする?、それともこの学園を自主退学するかい?」
(せ、せっかく入学したのにぃ〜)
「まぁ、その時には、国の極秘事項の保護と言うことで、君には一生監視がつくがね」
(あ、悪魔だ、この委員長、意外と、くっそぉぉっ、俺は悪魔に見入られたのか)

「・・・・・・・・・・・・・」
「どう?」
「はぁぁ、生徒会室はどこですか?」

「いやっほぅーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」
「おめでとーーーっ」
「なぁなあ、生徒会室案内してやろうか?」

ドドドドド
周りから突然、大量に、生徒たちが沸いてきた
(も、もしかして盗み聞き?、こんなに大勢で???)

「いよっ、転校生っ」
「あんたらの話は、科学部の俺達が技術を結集した[盗聴君]で全部聞かせてもらったぜーっ
 もちろん学園中の全部の生徒達にも お・す・そ・わ・けっ
 情報ありがとっ、一の四の委員長っ」
「久々に楽しそうですね、部長っ」
「ははははは」
「全部グルだったのかぁぁぁぁっ!!」
(間違っていた、委員長が悪魔だったのじゃなくって、この学園中が
 悪魔の巣窟だったんだぁぁっ)
(俺は不幸だぁーーーーーーーーーーーーーっ)

(おれはもう、こいつら、信用しないぞぉ)
少年は心に誓うのであった




−生徒会室−

「峯崎君、なんだか下で騒がしいけど・・・」
もちろん紅茶は持ったままである
「はい会長、どうやら転校生の勧誘に成功した模様です、後一時間経つ頃には
 こちらに着くでしょう」

「ふふ、楽しみだね、丁重に御持て成ししようね」
ここにも悪魔が一人・・・



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